米連邦地裁判事は25日、元ホワイトハウス高官について、議会下院で証言させることができるとの判断を出した。ドナルド・トランプ政権は証言を免除されると主張したが、これを退けた。
トランプ大統領の弾劾調査で、証言させることができるとされたのは、元ホワイトハウス法律顧問のドン・マギャン氏。
トランプ政権は、現在と過去のホワイトハウス職員は、証言や文書を求める召喚状を拒むことができると主張していた。
この日の判断に対し、司法省は控訴する考えを表明した。
「大統領は王ではない」
マギャン弁護士は、2018年10月までホワイトハウス職員だった。今年5月、ロバート・ムラー特別検察官の捜査をトランプ氏が妨害しようとした疑いについて、下院司法委員会で証言を求められた。
連邦地裁のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事はこの日の判断で、「法の上に立つ者などいない」と述べた。
「ホワイトハウス職員は、議会の強制措置から絶対的に免除されているわけでない。ホワイトハウスが何年前からどれだけ主張しようとも、大統領が職員に不服従をはっきり指示しようともだ」
ジャクソン判事はまた、大統領は自らのスタッフに対し、下院の召喚に応じることを止める「権力はもっていない」と説明。「大統領は王ではない」とした。
ただし、国益に関わるかもしれない機密情報を守るためには、マギャン弁護士が「適宜」、行政特権を主張することができると判断した。
司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は、マギャン弁護士が「法的義務をまっとうし、速やかに委員会に出席する」ことを期待していると述べた。